フーッ ヒーッ もうすこしだ・・・4段・・5段 よっしゃー!
麻理子の肩を抱いて真理子に歩かせながら、ポストに書いてあった番号のドアまできた。
「あ・・・鍵だ・・。麻理子ちゃん 鍵どこにある?」
「・・・・・・。」
麻理子からの返事はない。
「鍵・・・探させてもらうよ」
そう言うと、麻理子のカバンの中身を空けて、手でかきわける。
チャリ・・・・
小さく金属音がした。 取り出してみると、螺旋状に曲がったゴムのキーホルダーの先に
部屋の鍵が付いていた。
「これかな」

ガチャ・・・

部屋に入ると壁に沿って手でペタペタと探る。
手を伸ばしていった先に、プラスチックの硬い物が壁に貼り付けられているのがわかり、
薄暗がりの中、その部分に顔を近づけて目を凝らすと、やっぱり部屋のスイッチだと判った。
灯りをつけると靴を脱いで先に部屋に上がる、
真理子を玄関に寝かせると、真理子の靴を脱がせてから、奥の部屋まで
脇をかついで麻理子の足を引きずらせながら進んで行く。