そのまま、バイクに座らせようと試みたが、 足も腰もくにゃくにゃの状態で
自立できない状態では どうにもならないようだった。

「もーーーーっ しかたねぇなーっ」
龍は覚悟を決めて、麻理子を自分の方へ向かせると、右腕を麻理子の背中に回して
自分の胸にぐいっと抱き寄せた。
左腕は麻理子の両太ももへ手を伸ばし、横に、抱き上げようとしたが、 重くて無理だった。

仕方なく、またずるずると足を引きずった状態で、バイクの方まで移動する。
先に龍がバイクに跨って、龍の膝の上に麻理子を横向きに座らせ、麻理子の両腕を自分の首にからませた。
「おい・・ この腕、離すなよ 離したら又痛い目に合うぞ。」
麻理子の返事は無い。

念の為と、ズボンのベルトをぬきとって、二人の胴にまわしてみた・・・が、
本来一人用のベルトなので当然届かない、
「ふぅ・・・これしかないか・・・ごめんな。」
そう言うと、バイクを降りて、麻理子を又、自分の方へ向かせる、
麻理子の左足の膝裏に手を伸ばし、麻理子の太ももを自分の腰の高さまで上げさせる。
その体制のまま、再びバイクに乗りこんだ。
今度は、龍の両膝の上に麻理子が乗り、二人、向かい合った状態である。
麻理子の両足はは龍の腰を挟んでいた。
「これなら届くだろ・・・ しかし・・はずぃなぁ・・・こいつ、これ知ったら怒るなきっと。」
確かに、知り合いには見られたくないほど、知らない人が見たら バカップルのような体制である。
ベルトを二人の腰に通すとなんとか穴の所まで締めることができた。

麻理子を自分によりかかるように抱きつかせ、
龍は、麻理子が前に倒れないように、背中を後ろにそらしたままゆっくりと進む。