ゴクッキュ・・・・・ンゴンゴ・・・クン ハァハァ・・フーーーーーーーーーゥ
「ウプッ・・・もう目を開けてもいいですよ。」
ジョッキを後ろのテーブルに置いて、自分の背中で見えなくしてから
龍に告げた。龍は又、麻理子の頭を撫でて、その手で麻理子の頬に手の甲を押し付けた。

「頬っぺた赤くなってきたんじゃない?」

「・・・・うぐっ・・・そうかな。
なんか・・苦しいけど・・まぁ食べようよ!安達さんお腹空いたでしょ」

「実は・・ものすごく減ってる・・フフ」
おてもとと書かれている
袋から箸を取り出して、パキッと真っ二つに割る。
麻理子も胸を押さえて一呼吸すると、割り箸を割り出した。
砂肝は表面がカリカリになるまであぶられていて、上から塩とレモンを好みでかけれるように、
小皿に分けて出されている。
レモンをしぼりながら麻理子は、龍の携帯の待ちうけに写っていた女性と、職場からの帰りに
見た、赤い傘の女性が同一人物かどうか、龍に聞いていいのかどうかも気になっていた。
とりあえず、先に携帯を交換しとこうと、二人はテーブルの上に携帯を出し、互いの携帯を同じタイミングで掴み、
真理子はカバンに、龍は服のポケットに入れた。
「あのね・・安達さんの携帯のね・・」
「ん? あ、龍でいいよ。」
「・・うん。 えっと、龍くんの携帯のね、待受け見ちゃったの・・自分の携帯だと思ってて、ごめんね。」
「あーいいよ。俺も見たし」