温かい味噌汁を一口飲むと、ほわぁぁ~ 湯気で麻理子の頬が桜色になる。
「あーーっホッとするーぅ!」
甘い余韻に浸っていると・・・

ブー・・ブー・・ブー・・

テーブルの上の携帯が小刻みに震えだした。
送信者は自分だった。

「んー?」
どうして自分の名前から電話がかかるのか理解できずにいた。
が、次の瞬間、思い出して慌てて電話に出る麻理子。

「はい。石川です。・・あの・・・・・。」
「俺です・・。覚えてますか?」
「あ・・・えぇ。 はい。なんか携帯間違えちゃったみたいですね」
「そうなんですよ、で、マジで困ってるんでー 今晩にでもお会いできたらと
思うんですが。」
「えっ 今晩ですか?んー・・・いいですよ。」
「じゃぁ、待ち合わせの場所は麻理子さんがきめて下さい。」
女性を遅い時間に外に出させるのは申し訳ないと思ってくれたのか、
龍なりに気を使っているようだ。

麻理子はしばらく考えた、家の近くに来てもらうのも 何だし・・・
かといって、今からだと終電が気になる・・。
風呂も沸かしたので 風呂に入ってから行きたいところだしなぁ・・・
「安達さんは 電車で来られるんですか?」
「あーいいや?、バイクで行くつもりですよ。」
それならと、 麻理子はおそるおそるきりだした。