うわ・・・同じ会社に奴の彼女が??えええ・・でもありえないなー
あんな幼稚な奴の彼女が会社の・・しかもあの服装、秘書課かしら?
釣りあわないよねぇ。 も・・・もしかしてお姉ちゃん? いやー・・・まさかねぇ。

それよりも・・・安達さんとどうやって連絡を取るか・・・だわ・・。
うーん・・・
麻理子は唇をとがらせると、次は下唇を前歯で軽く噛みながら、
待っていても仕方ないと小雨の中を歩き出す。

歩いている間にも雨は、少しずつ降り続き
麻理子の歩幅は すべらない様に小刻みに動きつつ
駅前のスーパーが見えてくると、 店の雨避けまで走った。

カバンからタオル地の小さなハンカチを出し、
濡れた肩や膝元の水滴を払う。
「はぁふぅーぅ」 軽くため息をつくと店内に入って行った。

晩御飯用の出来合いのおかずを数種類と牛乳、100%葡萄ジュース、パン
を買い物籠に入れてレジに並ぶ。
並んでいるわずかな時間に 食後、自分が何をするか考えるようにしていた。
だが、今日は 何をして良いのか 何も思いつかなかった。

レジの清算が終わり、窓際にあるテーブルで買った物をビニールに入れながら、
外を見やると、雨はもう、通り過ぎた後だった。