「このドアで思いっきり押し出してやりたいけどっ さすがに痛いわよね・・。」
諦めずに 龍の肩や頭を左手で押していたら

・・・んあんだよ・・・ グィッ
龍の右手が麻理子の左手を掴んだ、そして、龍は 戸棚の方へ寝返りを打ってくれたのだが、
麻理子の手を掴んだままなので、麻理子は体制を崩して洗面所の外へひきずり出されてしまった。
その弾みでドアが勢い良く開き、龍のふくらはぎに直撃し、麻理子もまた龍の上にのしかかるように倒れこんだ。。

「ぃだーーーー!」
龍の声である、 戸が当たった痛みで、一気に目が覚めたようだった。

ぁ・・・あぁああぁ・・・はぁ・・・くっ
麻理子もまた 玄関よりも一段高い洗面所から引きずりおろされた時に 膝を しこたま打ち、擦り剥いたようで、
苦しそうに息を吐いた。

「え・・・今の何?」
目を丸く見開いた龍が最初に見たものは天井だった、そこから徐々に下へと目をやると、洗面所の戸が少し開いている。
龍のふくらはぎに当たった反動でまた、少し戻ったみたいだ。
そこから龍は目線を戸棚の方へと流していった。
伸びた左腕の上に 腕枕をされてすやすやと眠っているかのような 麻理子がいた。