「ちょっと・・・なんであなたが!」
麻理子は慌てて龍をカウンターから下ろそうと、肩を押しのける。
とっさに龍は下腹部まで乗っかっていた体を下ろして、寺山の傍へとかけよる。

タイミングが良すぎて麻理子は逆にカウンターに乗り上がってしまった。

「やぁ~っいきなり居なくならないでよぉ~」
なかなか降りれずにいる麻理子をほったらかしにして二人は、

「そうかなぁ~ダメか?」
「うーんだったら僕も行きます!」

「ダメよっ!!」

「え?」
「え??」
龍と寺山が同時に、なんとかして降りてきた麻理子を見た。

「安達さんは仕事が終ったら受験勉強しなくちゃいけないでしょ?」
「あ・・・うん・・・。」

「寺山さん!」
「・・・・はい。」
麻理子の普段とは違う勢いに圧倒されている様子の寺山。

「私、行きます。」

!! 驚いて麻理子の方を見る龍。 だが、ショックのあまり、声が出ない。

「そうですか。 では、仕事が終ったらお知らせしますので・・」

口をへの字にして立ちつくす龍の目の前で、タンタンと寺山と麻理子の話は進み、
二人はメールアドレスの交換までもやっていた。