「ですよね!やっぱり――」


「それはダメ!もうスポンサーにはのビジュアル出回ってる。今更後には引けないよ」


無理ですと告げようとして先回りされた。一々この反応の速さがムカつく…


「こっちにも色々問題があるんです!」


佐久間に昨晩の恭子の事を話した。杏奈がスポンサーサイドで関わる事も告げた。編集部での企画の事もだ。


「なるほどね、加奈子ちゃん板挟み状態だねぇ。大変だね」


「そんな他人事みたいに言わないでください!」


笑いながら答える佐久間に言葉は自然ときつくなった。


「そんなに怒らない加奈子ちゃん。困ったなぁ…書けなくなっちゃったらどうしようかなぁ」


のんびりとそんな風に佐久間が言う―柔らかに自分の立場を押し付ける佐久間に関わってしまった事を後悔した。全ては佐久間の思う壺でしかないのだ。


「狡いです…佐久間さん」


結局、私から出る言葉も彼の思う通りなのだろう。