何かしら話さないと辻褄が合いそうにない。谷女史と目を合わせた。


「色々とね、条件があってさ。書籍もコミックも私が担当でないと駄目だって…」


「うわぁ…それは色々言われそうですね。又、佐伯さんが乗り込んだりしてこないと良いですね」


半ば憐れみの表情を浮かべ、そんな風に言われてしまう。


「そんな事だけはさせないからね。みんなも気にしないで、会議できちんとして来るから」


谷女史の言葉で私達の憂鬱な表情を理解して貰えた様子だった。


本来はそれだけでは無い、社内の調整も確かに憂鬱だった。


雑用や打ち合わせをこなすと予定通りの時刻に谷女史に呼ばれる。


各部署のトップと〈カヲル〉に関係しそうな担当者達がずらりと顔を揃えていた。


数人の役員に…案の定、コミックの部署からは佐伯が同席していた。


目が合った瞬間不貞腐れた風に佐伯が資料に視線を落とす。嫌な感じだ――