「へぇ…何かありそうだね。佐伯って人と、後でメール見せようか?」


やっぱり嫌な男だ。微妙な私の表情ややり取りからすぐに何かを感じ取る。


「ただの同僚です…」


「そう、まあ良いけどさ。さて、どうするかなぁ…まだ決めて無いんだけどね出版社」


「そうですか…」


「まあ良いか、映画は無理だけどね。後は別に何処でも良いし窓口増やすのも問題だからね。但し条件がある」


「条件…ですか?」


佐久間はニヤリと笑って話す。


「簡単な事だよ、書籍もコミックも全部担当者は加奈子ちゃんで。それから映画のスポンサー回りに〈カヲル〉として同行する事。それが飲めればOKだよ」


「ちょっ、ちょっと待って下さい!無茶です、写真だけって約束じゃないですか!」