「資料だよ、ただの資料。片っ端から売れてるレディコミに目を通してるだけだ、売れてるものには理由がある。分析してパターンを読み込んで小説にアウトプットする…だから評価されないわけがない」


佐久間は事もなげにそう言った。


「アウトプット…何だか裏切られた気分…」


思わずそう呟いてしまい、はっとして佐久間を見た。佐久間の機嫌を損ねたかも、と思ったのだ。


「だろっ?問題はそこなんだよねぇ」


機嫌を損ねるどころか愉快そうに笑っていた。


「カヲルのイメージって事ですね…書いてるのが佐久間さんだと読者が同じ様に感じてしまう」


「そう云う事だ。少なくとも携帯の小説においてはって事だけどね。何せサイトでの読者はカヲルのキャラクターに共感してる部分が大きい…自分達と同じ悩みを持ってるカヲルが書いてる事が大事なんだ」