ゆっくりとした時間に起きだす。佐久間との打ち合せには十分に間に合う。


バスタブにお湯を溜めて浸かる。昨晩のアルコールと浮腫みの解消のためだ。


佐久間には会社からの意向も伝えないわけにはいかない。


編集長からは気にしなくて良いと言われているけれど、彼女の立場を考えれば佐久間の考えだけでも聞き出す必要はある。


売れてしまえば無理も効くけれど、まだ創刊前では社内的にも強く出るわけにはいかない。


雑誌の編集をするのは私達でも、営業が広告を売らなければ成り立たない。創刊にあたっての告知にしてもそうだ、私達にコントロールは出来ない。


社内に敵は作らないに越した事はない。いっその事、佐久間が既に出版社を決めてくれていればそれで良かった。


余計な騒ぎに巻き込まれないで済むのだから。