何とか恭子の追求を逃れ深夜に帰宅出来た。


気分転換になる筈の女子会すら〈カヲル〉に振り回される。


「次こそゴミ捨てないと…」


ゴミ箱を眺めて呟いていた。


虚しい…男が出入りしないと片付けるきっかけを逃してしまう。


「何してんだか…」


昔なら、寂しくなれば電話で話す女友達もいたし、私に興味があるのだか無いのだか、微妙なバランスにある男達に甘える事も出来た。


三十を過ぎるとそうもいかない。働く女達は忙しく、気軽に好意を向ける男達も減ってゆく。


また、馬鹿らしい事を考えてるいるのだと思う。杏奈の様に仕事も男も器用にこなす事が出来ない自分が情けなくなる。


生活の全ては仕事を中心に回る。ニュースもインターネットも、話題のテレビドラマさえ時代に取り残されない事を前提にチェックするのだ。


仕事にはやり甲斐を感じていても、それがどうした?と云う気持ちもある。


一月が過ぎれば一気に価値が下がり、二ヶ月すれば読む者も居なくなり、三ヶ月すれば紙屑同然…


それが雑誌の宿命だった。