傍に行って様子を見ようと俺がかがんだ瞬間に、タイミング悪くその子は立った。


一瞬いたたまれなくなったけど、

転んだ時に落ちたであろうクマの携帯ストラップが転がってたので
急いでそれを拾って立った。



「あ、あの、これ…」



おそるおそるでその女の子にストラップを差し出すと、

その子はきょとんって顔で俺を見た。



わ…むちゃくちゃかわいい。



風と踊るみたいに綺麗な黒い髪の毛はさらさらしてるし、

目ぱっちりしてるし、色白だし…



周りの女の子だって同じ制服を着てるのに、
この子が着ると特別にいい服が見える。



絶対、アイドル的な存在になるんだろうなぁ。




…て、うわ!俺何してんの!



女の子だよ?!!


女の子様だよ!!?



なんで近づいてクマのストラップ拾おうなんて思ったんだよ過去の俺!



何考えてんの?!!



緊張でがたがたと震えてる手からクマのストラップをとる。




「ありがとうございます」