「俺ら今日から高校生だぜ?
やばくね?」


「え…何がやばいの?」


すっとんきょうな顔で聞き返す俺を見て、
駄目だこりゃと言わんばかりに額に手をあてでかいため息をつく。


幸せ逃げちゃえ。



「お前なぁ…!高校生だぞ!!

高校生っつったら!携帯いじり放題、音楽聞き放題、早弁だってできる!

可愛い彼女つくったりなんかして…

まさに青春真っ盛りだろ!」



「可愛い彼女かぁ…」


ただでさえ平凡な顔なのに女の子の前ではしどろもどろになる俺に、

彼女なんて出来るはずもなく。



高校生になったら彼女ほしいなあ…なんて、考えたりはしてた。



ちなみに凉にも彼女がいたことない。


『友達としてはいいんだけどね』タイプだって、

嘆いていたのを聞いたことがある。



でもこれを言うと結構本気ででこぴんされるから言わないけどね。