「それより、早く行くよ。」

わたしは、歩きだす。

「あ、ちょっと待ってよ。雫!!」



「ねぇ、雫。どうしちゃったのさ。朝から、不機嫌すぎる。」

「そんなことないわよ。」

わたしは、腕を組ながらそっぽを向く。

「え~そんなことあるよ!!」

実里は、わたしの机に手を置く。

「しつこい!!何もないって言ってるでしょ!?」

「・・・ご、ごめん・・・雫・・・。」

実里は、眉を寄せて返事をする。

「あ、ごめん。」

わたしは、はっとなる。

「いいよ、わたしってば、しつこいところがあるからさ。ほんとに、ごめんね?」

実里は、頭をかきながら苦笑いをする。