「ちょっと、怖いよ、雫。」

実里が、わたしを見つめる。

「ど、どうしたの・・・?雫・・・。」

実里は、顔を引いて瞬きをした。

「何でもない、ごめんっ・・・。」

そう言って、わたしはそっぽを向く。

「ねぇ、実里。」

「な、何・・・?」

「わたし・・・雨には、嫌な過去があるの・・・。だから、思い出したくないから、雨のことはあまり、言わないで・・・。」

「雨には嫌な過去がある・・・。それって、何!?」

実里は、わたしに顔を近づける。

「実里には、関係ない話よ。」

「ええ~、気になる~!!ねぇ、教えてよ雫。」

実里は、わたしの肩をゆらす。

「・・・。」

わたしは、黙りこむ。