実里は、何度も振り向きながら校門を出ていった。

「実里ー、わたしのことはいいから早く行きなよー。びしょ濡れになるよー。」

わたしは、実里に向かって叫ぶ。

「うーん、ありがとー。またねー、雫ー。」

遠くから実里の声がする。

「・・・。」

わたしは、腰に手を当てて黙りこむ。



「止まない・・・。」

実里を送ってから、1時間。

雨は、まったく止む気はないみたい。

「はあー・・・。乗せてもらえばよかったかも・・・。