「うわー・・・雨だよ、雫。どうする?傘とか持ってきた?」

「ううん、持ってきてない。」

わたしは、首を振る。

「そっか・・・あ、そうだ。さっき、お母さんに連絡したら迎えに来てくれるって。雫も一緒に乗ってく?」

「え?いいの?・・・あ、うーん・・・いいよ。わたし、雨がやむのを待つよ。」

わたしは、実里に手を振ってそう言う。

「え?でも、いつやむかわかんないよ?だって、5時限くらいから、降ってたわけだし・・・。」

そう言って、実里は口に手をあてる。

「そうだけど・・・いいよ。大丈夫!」

「そ、そう・・・?じゃあ、わたし帰るね?」

実里は、少し心配そうな顔でわたしを見る。

「うん、ありがとね。実里。また、明日。」

「うん、またね。気を付けて帰るんだよ?雫。」

「うん、ありがと。」

わたしは、実里に手を振る。