第1話「水玉模様の傘」

わたしは、雨が大好きだった。

幼い頃は、雨が降ると決まって外に出てた。

最初は、カッパだけを着て雨に打たれるのが好きだったんだ。

そんなある日わたしは、1つの傘に惹かれたの。

水色にいろんな色をした水玉模様。

雨でその傘が濡れた時なんか、雫が太陽に反射してキラキラして綺麗なんだ。

それを見てるとね、すごく和やかな気持ちになれるの。

だから、雨が降るとその傘を持ち歩くようになった。

小学校に上がっても、中学校に上がっても・・・。

お気に入りだったから、大事に大事に使ってたのに・・・。

その傘は、わたしから姿を消したの。

何度も何度も探したけれど、見つかることはなかった。

その日以来、わたしは傘を使わなくなった。

傘を見ると辛くなるから・・・。

だから・・・。