実里は、少年を見る。

「雫、何で間宮くんと一緒にいるわけ?」 

実里ほ、わたしの耳元でつぶやく。

「わたし、今まで屋上にいたのよ。そしたら、急に話しかけられてさ・・・。」

わたしも、実里に小声で返す。

「ふーん、でも何で、一緒に戻ってきたの?」

「それは、つまりその・・・ボーッとしてて心配だったから?」

「ボーッとしてた?間宮くんが?」

「そうだけど・・・。どうかしたの?」

「間宮くんって、すごい爽やかな人だよ?」

実里は、眉を寄せながら言う。

「ええ?嘘。」

わたしと実里は、振り向いて間宮くんを見る。

「・・・。」

間宮くんは、ボーッとした目でどこかを見つめている。