少年は、ボーッとした目でわたしを見る。

「一緒に教室に戻るわよ。もうすぐ、ホームルームはじまるんだからっ・・・。」

わたしは、少年の手を握ると歩きだす。

「・・・。」

少年は、雫に引っ張られながらボーッとした目で雫の横顔を見つめる。



「あ、雫!」

教室に戻ると実里がわたしを見て席を立った。

そして、わたしの所に歩いてきた。

「あ、実里・・・その・・・さっきは、ごめんね?」

わたしは、うつむきながらモジモジして実里を見る。

「ううん!!わたしこそごめんっ!!」

実里は、わたしの肩に手を置くと頭を下げた。

「いいよ。」

わたしは、眉を寄せて実里に笑う。

「あれ?間宮くん。」