「・・・。」

わたしが、名前を聞いても答えてくれない。

「ねぇ、名前は?」

「名前・・・?」

「そうよ、あなたの名前っ!!」

わたしは、腰に手をあてて少年をじっと見つめる。

「名前・・・えっと、僕の名前は・・・。」

少年は、ボーとした目で顎に手をあてる。

「あれ?なんだっけ・・・?」

「はあ!?」

わたしは、眉を上げる。

「冗談、言ってないでちゃんと答えなさいよ!!」

「・・・ごめん・・・でも、分からないんだ・・・。」

「・・・。」

わたしは、キョトンとした顔になる。

「ほんとに?」