わたしは、びっくりして不意に後ろを向く。

「え、絵実莉っ・・・。」

「お姉ちゃんって、昔から一人言とか多くて変わってるけど、まだ、一人言直らないのね。」

絵実莉は、腕を組んでため息をつきながらドアの前に立って言う。

「ちょ、ちょっと、絵実莉。入るときはノックぐらいしてって・・・。」

「何度もしたよ?ずっと、一人でつぶやいて気づかなかったんじゃん。」

絵実莉は、わたしの言葉を書き消すようにつぶやく。

「・・・。」

わたしは、黙りこむ。

花澤絵実莉(はなざわえみり)。

わたしの妹で、2つ下の中学2年生。