「あっ、え?何でもありませんっ・・・。」

わたしは、とっさにうつむいた。

「人間よ。」

「は、はいっ・・・。」

「名は、なんと言う。」

「わたしですか?」

「そうだ。」

男の人は、ゆっくりとうなづいた。

「わたしの名前は、花澤ひよりです。」

「はなざわひより・・・?ひよりと呼んでも構わぬか?」

「はい。あの、あなたの名前は、なんですか?」

「俺か?俺は、あやとだ。」

「あやと・・・さん。あのっ・・・またここに来ていいですか?」

「ん?」

あやとは、眉を上げた。