遥side
お出かけ…か。
まるでデートみたいだなって思ったのは心の中での秘密。
そんなことを思っていると店員さんが私の方へ寄ってきた。
「彼女さん、あんなかっこいい彼氏さんがいていーですねぇ!」
店員さんは少し離れたところで服を選んでいる桜樹くんを見ながら言った。
「いや、彼氏じゃないんです…」
「え?じゃあ…片思いとか?」
店員さんの言葉が図星すぎて顔が赤くなる。
「まあ…はい。」
「じゃあ、とっても可愛くしなくちゃですね!」
と、言ってから走って行ってしまった店員さんをびっくりしながら見つめて居たら、すぐ店員さんは服をいっぱい持って帰ってきた。
「着てみてください。」
差し出されたのは色々な服。
その多さに苦笑しながら試着室に入った。
それから数分後…
「気に入ったもの、ありましたか?」