空 side


何やってんの俺。


何やってんの俺!


椎名さんが泣いてて、放っておけなくて、気づいたら手を伸ばしてた。


泣かないで。俺は君の笑顔が好きだから。


クッサイ台詞だよなって我ながら思うけど、もう気にならない。


その後だって、学校をサボろうとか思ってたわけじゃない。


電車から連れ出してしまって、なんとか椎名さんだけは学校に送ろうと考えていたら、ワクワクする。なんて言って無邪気に笑って見せた。


もー…なんなんだよ。あの可愛い生き物は。


そして、なんだかんだで俺が手放せず、椎名さんと出掛ける事になってる。



出掛けるっていうか、俺的にはデート。


「まずは、服の調達に行こっか。
流石に制服だと補導されるだろ。」


「ホドウ?そうなの?じゃあ、行こうっ。」


明らかに補導の意味がわかっていないであろう椎名さんを見つめて愛しいと思っていた。