「そう?ならいいんだけど…。」


…ビックリっていうか、やっぱりモテるんだなと思った。


考えてみれば、あんなにカッコ良くて優しくて…

そんな人がモテない訳がない。


やっぱり私には手が届かない人だったってことだよね?


またボーッとしていた私は、佳奈ちゃんに声をかけられてまたハッとした。


「…っ、遥!何泣いてんのよ…。」


「へっ?」


その言葉にびっくりして自分の頬を触ると温かいものが手に触れた。


泣いてる…?


そう確信すると引き止めていた線がきれたように涙が溢れ出した。


やだやだ。泣かないでよ。
前に桜樹くんがいるのに…
こんなみっともない姿見せられないでしょ?


そう言い聞かせても止まらない。


いつの間にこんなに好きになっていたんだろう?


出会ってから半年、話せるようになって1ヶ月。


私…うざい人だ…