チクチク…

胸が痛んで、いつもはもっと一緒に居たいと思っていた電車の中で、早く何処かへ行きたいとばかり思っていた。


「はーる。遥っ。」

「へっ?」

「どーしたの。ずっと声かけてるのに放心状態だったよ。」


いつの間にか意識が飛んでいた私はハッとして前をみた。


…相変わらず、桜樹くんや林くんに女の子たちが群がっている。


真琴くんのところには、佳奈ちゃんが目を光らせているから寄って行ってないみたい。


彼女の特権だよね…
いーなぁ。

「はるちゃん…大丈夫?
いきなりあの青華の女の子たちが居てビックリしたよね?」


桃ちゃんが心配そうに私を覗いた。


「ううん。大丈夫だよっ」


心配かけたくなくて私はへへっと笑って見せた。