「お前にストーカーまがいのことしてた
キモい奴だけどさ。

なんか、可哀想になっちゃってな。」


お兄ちゃんが、
いつもの人懐こい笑顔を見せた。



「ま、俺も最初はさ

モモにあんなメール送りつけてきやがって
ぶっ殺す…
くらいに思ってたんだけどな。


そいつ、怒り狂った蒼介に携帯壊されて
土下座までさせられててさ。

なんか可哀想になっちゃってさ…


蒼介、綺麗な顔立ちしてるだけに
マジギレした時の怖さ、半端ねぇしな。

だから、
そいつのことちょっと
合コン誘ってみたんだよ。

あ、蒼介には内緒な。
マジで知られたら殺される。」


は?


イタズラな顔をして笑っている
お兄ちゃんに

唖然……




「ご、ごうこん……?

あの、ストーカーみたいなメールを
いっぱい送ってきた人を

お兄ちゃん
……合コンに誘ったの?」



「そう。

で、そいつ今、ちゃんと彼女ができて

健全にその子とつきあってるから」



「お兄ちゃん………?!」



お兄ちゃん、小さいころから

すぐに誰とでも仲良くなれてすごいな…


って、思っていたけど。



どんな思考回路⁈




「なんか、俺、
やたら懐かれちゃってさ。

今や連日、俺に彼女とのことを
メールしてきてるくらいだからな。

だから、モモも安心して大丈夫だぞ。」



「………。」



お兄ちゃんっていったい…