「お前が蒼介といるところを
見せつけて、

諦めさせたんじゃないんだよ。

蒼介さ、そいつの顔を覚えて
学校で呼び出したんだよ。

うちの学校の2年。 」



驚きすぎて、

声にならない。


「屋上でそいつのこと脅して
携帯取り上げて確認したら、

モモ宛のメールが
山ほどでてきたっつってた。


で、警察に突き出されたくなかったら
2度とモモに近づくなって、

もし近づいたら
一生後悔させてやるって、

携帯、踏んで壊したらしいぞ。」




「携帯、…ふんで……こわした?」




「そりゃあ、
メールもこなくなるはずだよな。

そいつ、俺に土下座しに来たんだよ。
蒼介に連れられて。 」



ど、土下座……?

その時の蒼介さんの様子を
想像するだけで

恐ろしくて背筋がぞくっとした。



「2度とモモに関わらないって
俺に謝りに来た。

モモには会わせたくないから
俺に代わりに謝れって。


校舎の裏の寂れたところで
そいつに泣きながら土下座されてさ。

蒼介は怒りまくってるし、

なんつうか、
すげぇいたたまれなかった。」


その時のことを思い出したのか
お兄ちゃんが、顔をしかめた。