「私、やっぱり
数学演習、受講するの辞めようかな。」


「なんで?」


「なんか、疲れてきた…。」


「勉強難しいか?」


「なんだか、いろいろと…。」



「あの葉山ってやつ、
まだお前につきまとってんのか?」



ふと、蒼介さんの鋭い視線を感じて
慌てて首を横に振る。



「あ、ううん、大丈夫、大丈夫。」


こんなふうに
蒼介さんに心配ばかりかけて
なんだか情けない…………


「モモ?」


「ん?」


と、蒼介さんを見上げると
額に触れる蒼介さんの唇。


「!!!」


「元気だせよ」


軽く笑って片手をあげて、
蒼介さんは自分の教室に帰って行った。