「指輪は慣れたか?」



「うん。恥ずかしいけど。」



「なくすなよ。」


そう言って、

私の薬指にはめられた指輪を
人差し指でつつきながら

蒼介さんが笑顔を見せた。



「絶対になくさないよ。

でも、蒼介さんは指輪、
恥ずかしくないの?

男の人なのに
指輪するのって抵抗ないの?」



「これつけてから、

知らない女に
『彼女いるのか』とか

聞かれなくなったから、助かってる。」



「そんなに聞かれてたんだ……」




むむっ。



やっぱりモテモテなのは

蒼介さんだ。