オーバーアクションをとりながら言うグレ

ンに吹き出しそうになりながら、有り難く

受け取った。

「何だそりゃ。じゃ、遠慮なく貰うぜ」

「入国許可が下りるのに時間がかかるだ

ろ、多分。待ってる間、腹が減ったら困る

し、あの辺りは店もないから」

「どこの検問所もそうだからな。それ

じゃ、そろそろ行ってくる」

飲みかけのハーブティーを一気に飲み干し

て空になったカップをグレンに渡した。

「気を付けて行ってこいよ。戻ってきたら

必ずうちに寄れ。俺の奢りでちゃんとした

もの食わせてやるから」

「まぁ、その時は頼むわ」

そんな他愛ない会話を交わして検問所へと

向かった。