「そうかもな」

検問所を顔パスで何故通れるのか…俺の家

系は代々サルバトール公国に仕える竜騎士

団の指揮をとってきたという名誉ある家

で、今は兄貴二人が竜騎士団に所属してい

る。そのせいか、親にも特に何も言われて

いないし、兄貴達とも変わらず時々はコン

タクトをとって世界情勢の情報を報告して

いる。

ファミリーネームの“ウイングウッド”を

名乗っただけで検問所を通れると知った時

は不思議でならなかったけど、今ではそれ

が当たり前になってる。

「これ、持って行けよ」

布の包みをグレンが差し出した。

「何?」

「俺の海よりも深ーい愛情がこもった弁当

だ。心して食えよ」