「おい、リッドまだ起きてるか?」

グレンが部屋に顔を覗かせた。

「用事なら手短にな」

「リストーネが落城したそうだ」

その言葉に眠気が一気に吹き飛んだ。

「それじゃ、俺の契約はどうなるんだ!?」

「さあな、俺に聞かれても困る」

と、再びグレンが去って行くと、ベッドか

ら飛び起きて身支度を始めた。黒の皮の

ショートジャケットに黒の皮パンツ。ベル

トループには茶色の皮ベルトを通してる

が、右の腰に魔導銃と呼ばれる特殊な銃を

提げる為のホルスター、左の腰にブロード

ソードも提げているから重い事この上な

い。鏡に映るライトブラウンの髪の乱れを

整えて貴重品が入った麻のワンショルダー

バッグを肩にかけて2階の客室から1階に降

りた。