「そう…ですか。父様達がこの城と運命を

共にする覚悟であるなら私も…!」

「なりません!それはなりません姫様…国

王様と王妃様の日頃のお言いつけで何かあ

ればフィーナ姫の事を頼むと」

フィーナと呼ばれた少女は両親の思いを告

げられ、

「ロードレック隊長がついていれば大丈夫

ですよね?兄様にもヴィクトール副隊長が

ついていますから…」

不安を振り払うようにフィーナの口からそ

の言葉がこぼれる。

「ええ。あの方達ならお任せして大丈夫だ

と思います。さ、姫様早くこちらへ」

メイドに連れられ、部屋の外を出て右奥の

突き当たりのドアの鍵をメイドがポケット

から取り出して開けると、階下へ続く螺旋

階段があった。それを二人は急いでかけ降

りる。螺旋階段を降りきったその目の前に

鉄の扉が姿を現した。