「俺はリッド・ウイングウッドだ」

「ウイングウッド隊長の弟さん…ですか!?」

ぱっ、と目を輝かせるアルディオが怖く

なった。もう、何か押し倒されるんじゃな

いかと思わせるくらい興奮している。

「ま、まぁ…な」

「こんな所でウイングウッド隊長の弟さん

に会えるなんて嬉しくて涙が出てきそうで

すっ!」

言ってる傍から滝のように涙が流れてるん

だが。

「兄貴が世話になってる人に会えるとは

思ってもみなかったなー」

ほぼ棒読みになってる口調でもアルディオ

はお構いなしに俺の手を握って、

「世話になってるのは俺の方です!ヘコん

でる時に励ましてくれたり相談にのってく

れたりして助かってます」

もしかしてそっちの気があるのかとドン引

きしている時に感情の全く込められていな

い言葉が聞こえた。