「つーか、ハルちゃんもう夏ですよー勉強しなくていいんでちゅかー?」


「・・・」


「・・・えへっ」


「・・・・・・」


「・・・ごめんなさい。」


「おう。」




気持ち悪いおっちゃんは置いといて。

そう、実は俺、中学3年生で今年高校受験を控えているのだ。
おかんには、女遊びもギターもやめて勉強しなさいとかなんとか言われるが、全くやる気はおきない。

「一応、このハウスに一番近いとこかな。」


理由は簡単、放課後に来やすいから。
プラス、ラブホに近いってのもあるんだけど。
女連れ込みやすいでしょ?なーんて女の子からしたら最低な考えです。




「そーか、うん、」


そう言って桑原さんは、笑う。
この人は不思議な人ではあったけど、今日はいつもよりなお、分からない。
だって、おかしいとこなんて1つもなくて、なのに笑ってて。
俺はなんだかよくは分からなかったんだけど、一応笑っといた。
この桑原さんの笑顔の真意を、あと1年もしないうちに、俺は知ることとなる。




適度に勉強して、適度に通って、なんか高校に受かって、




4月。


とんでもねー高校生活が始まる。