「まゆちゃん!」






「わっ!ちーちゃん!」





「まゆちゃんに会いたかったんだよ!」







「私もちーちゃんに会いたかった!」







「まゆちゃん~すっかり芸能人になっちゃって★」






「あはは、まだまだだよ。」






「それよりまゆちゃん!耳貸して。」










「耳?なーに?」







私はちーちゃんに言われるがまま耳をちーちゃんのところに傾けた。






「まゆちゃん…陸先輩と付き合ってるって噂になってるよ。」


「まゆちゃん…斗真の事好きじゃなくなったの?」








「陸とは付き合ってないよ。」

「告白はされたけど…」







「陸先輩ついに告白したの!?」






「えっ…ちーちゃん知ってたの?」







「気付くもなにも陸先輩の行動見てたらわかるもーん☆」




「でも私…陸の告白…断った。」


「それに私は、今でも斗真の事が大好き。」









まゆちゃん…。





一つ一つ前へ進んでるだね。



それだったらもう、そろそろ斗真君に
気持ちをぶつけなきゃダメだよ…。

「まゆちゃん…実は私ね…」

「陽太の事が好きなの…。」









ちーちゃんが陽太の事好き?

そっかそっか~好きかぁ☆って!







「ぇえぇえ~!そうなの!?」

「ちーちゃん、陽ちゃんの事好きなんだぁ★」








「うん☆ってかまゆちゃん少し声大きい。」









「あっ!ごめん…びっくりしてつい…。」








ちーちゃんが陽ちゃんの事好きって

初めて知ったよぉ…。







陽ちゃんはどうなのかな…。


ちーちゃんの事好きだったら良いのになぁ。


上手くいって欲しいなぁ…。








「だからね、私ね…文化祭の日」

「陽太に告る…。」





「本当!?」








「うん。」


「文化祭が終わった後ね、毎年3年生が」

「打ち上げ花火をするの」

「その、打ち上げ花火一発目が打ち上げられた時に告ると…」



「その恋が実ってジンクスがあるの。」






そんなジンクスがあったの全然知らなかったよ。


でも、すごく素敵なジンクスだなぁ。








「だからね、まゆちゃんもそろそろ」

「頑張りなよ!」






待って、頑張るって言っても。





でも、それって文化祭が終わっていつ、
一発目の花火が上がるかわかんないよね。


これって、本当に一発目の花火が上がった時に告白出来たらキセキだよね?


いや、キセキじゃなく…運命だよね…。
私…告白しよう…斗真に。



ちゃんと気持ちを伝えなきゃ…。



たとえ文化祭が終わって告白した時に

花火が上がらなくても…。









「ちーちゃん…私、斗真に告白する。」






「おぉー♪そうでなくっちゃ☆」

「お互い頑張ろうね☆」



「うん☆」








「まゆちゃん!千夏ちゃん!」

「早く文化祭の準備するよ!」






「うっ…うわぁ~!」

「陽ちゃん!ビックリしたぁ!」






「いっ…いつから居たの…陽太?」







「いつからって今、来たとこだけど★」

「「ふぅー良かったぁ。」」

陽ちゃん…驚かせないでよ…。



陽太のバカ…驚かせないでよ…。






陽ちゃん…
さっき、ちーちゃんと話してた事聞かれたかと思ったよ…。




あっ!そうだ、ところで文化祭って私のクラス何をするんだろぅ。


「ところで陽ちゃん文化祭って私のクラス何をするの?」





「メイド&執事カフェ☆」






「メイド&執事カフェ!?」



メイドって…。



私…絶対、似合わないよ…。




私…調理担当が良いなぁ。







「まゆちゃんはメイド担当で確定ね!」






「え~ぇ!ヤだよぉ…。」


「ちーちゃん、陽ちゃんが意地悪言うよぉ。」








「私も陽太と同じよ♪」


「まゆちゃんはメイドで決まりよ♪」





ちーちゃんまでー!





私がメイド…。

「そ…そんなぁ~。」









「あっ!そうだ!まゆちゃん!」


「斗真君の服のサイズ計ってきてくれる?」








「えっ!イヤだょぉー」


「ちーちゃん、なんで私なの?」


「それに何で服のサイズ計るの?」








「だって、私と亜美ちゃんでメイドと執事の服を作ってるから★」



「あと、斗真君は執事なんだけど」

「まだ、斗真君のだけ計れてないのよ。」


「まゆちゃんは忙しい担当のところを助っ人で行く役割になってて」

「今、私達のところが忙しくて手が離せないのよ。」








私が居ない間にもう、各自の役割が決まってたんだぁ…。







そりゃー私もみんなの助っ人したいよ?



でも、ちーちゃん…よりによってなぜ

斗真のスリーサイズを私が計らないとダメなの…?





私がドキドキするの知ってるくせに////!



ちーちゃんの意地悪~!

でも…助っ人だし行くしかないよね…。


斗真、竜君、陽ちゃんなどの役割は

カフェの飾りを作る担当だ。


テーブルクロスやコースターやカーテンなど。




って…今、竜君と喋ってるから忙しくなさそうだよね。



行くしかないっか。










「ね…ねぇ斗真!」






「ん?まゆかぁ」

「どうしたんだ?」






「///////」



ヤバい///さっき斗真の事話ししてたから…恥ずかしい…変に意識しちゃうじゃん…。







「あ…あのね…ちーちゃんが…」

「執事の服…作るからスリーサイズ計らせてって…。」







「あぁーわかった。」


「じゃ、行ってくるわ。」








「あっ…ち…違うの!」

「ちーちゃんは忙しいから私が代わりに計らないといけなくなったの。」








「えっ////!!」





ちょ…ちょっとそれ…


どう言う事なんだよ/////
俺は…一気に顔中がカァッとなる。



そして俺は、中川がいる所に振り向いた。


中川は俺が振り返るなりニコニコな笑顔でブイサインをしている。



中川!

てめぇー絶対わざとだろ!








「斗真?顔真っ赤だけど…大丈夫?風邪でも引いたの?」





「かっ…風邪!?風邪なんか引いてねぇーよ。」

「大丈夫だから気にするな。」







ホッ……。


まゆが鈍感で良かった…。





俺が何故、こんなにも顔が真っ赤になると言うと…。



昨日俺は、昼休みの最中…陽太に呼び出されていた。
*昨日の昼休み*





「陽太、話しってなんだ?」







「斗真…僕ね、実は好きな人がいる。」








「マジか!?それは、初耳だぞ!」






「うん。」
「だって、実際僕も最近気付いて知ったんだ。」






「まっ…まさか!」






「斗真、まゆちゃんじゃないから安心して★」




ホッ…。

「そっかぁ…。」






「実は僕の好きな人は千夏ちゃんなんだ。」







「千夏………えぇぇぇ~!!中川!?」






「うん…////。」


「千夏ちゃんと一緒にいる内にどんどん胸が高鳴るし一緒にいるだけですごく楽しいし」

「幸せでずっと側にいたいって気持ちが恋だって事に気付いたんだ。」



「だから自分の気持ちに気付いた以上」

「千夏ちゃんに、僕のこの気持ちを伝えようって思って…。」








「いつ?いつ、中川に伝えるんだ?」




中川……ビックリするだろうなぁ。





「文化祭の日。」

「文化祭が終わって3年生が毎年、打ち上げ花火あげるだろ?」


「その時に告白し、同時に一発目の花火が上がればその恋は実るらしいんだぁ。」


「でも、僕はたとえ実らなかっても」
「気持ちを伝える事って大事だと思うんだ。」


「だからどっちの結果にしても」

「僕…頑張るよ!」








俺…陽太の話しを聞いてる内に心を動かされた。






陽太は自分自身に素直になり、

勇気を出して中川に告白。





それに比べ…俺は何なんだ…。



陸兄には絶対負けねぇー頑張るだぁ!

って決意表明したのに…。



全然駄目じゃないか。

俺…逃げてばかりじゃんか。