「俺!前からまゆちゃんの事」


「良いなぁって思ってたんだよねぇ★」


「だから、俺と付き合わない?☆」






はぁ~あ!?



この人何…馴れ馴れしい感じ。




しかもこれ、告白!?





私…この人知らないよ。





すごくチャラくて嫌だなぁ。




ってか早く腕、放してくれないかなぁ…。







「えっと…あの~とりあえず腕…放して欲しいのですが…。」







「じゃ、俺と付き合ってくれたら」

「放してあげてもいいよ♪」






「なっ!!!」






信じらんない!!




なんて強引な人なの!!!





周りの人達沢山いるのに平気で言ってくる。




皆…ざわめき出す。








「私!あなたとは付き合えません!」









「じゃぁ~離さない★」







ムッ!



この人本当…無理…。





「放してください!」






どうしょぉ…全然腕を放してくれない。





斗真…




斗真…




斗真…






助けて…。






怖い…。







なんて…助けに来てくれるわけ…。

「オイ!まゆの腕…放せよ!」




えっ…この声…斗真…?








「はぁ~?お前誰…ああ、まゆちゃんのただの幼なじみ君。」


「幼なじみ君には関係ないでしょ。」









こいつ…。



すげぇームカつく…。





早くまゆの腕を放せ…。




そして、俺とまゆの視界から消えろ。











「関係あんだよ!」


「俺の大事なまゆの腕を、今すぐ放せ!」







俺は気がつけばそいつを

鋭く睨みつけていた…。







「わーたっよ!何こいつムキになってんだよ…ただの幼なじみのくせに。」







そう言いながらチャラそうな人は
私の腕をようやく放してくれた。








ホッ…。




ようやく離れてくれた。








「じゃぁねえ☆まゆちゃん!」


「また、会ったらよろしくね!」








そう言い残しチャラ男は、
まゆと斗真を残し奥へと消えて行った。









あの人…一体何だったんだろうか…。
「まゆ…大丈夫か?」





「斗真…」






私は久しぶりに見る斗真と助けに来てくれた事がすごく嬉しくて…安心して涙が知らないうちに出ていた。








「ひく…斗真…。」








「まっ…まゆ!お前…泣いて…」




っ…つ…!





俺はいつの間にかまゆを優しく抱きしめていた。






「俺の胸…貸してやっから…」




「斗真…!あっ…ありがとう///」


「私ね、久しぶりに斗真に会えた事と斗真が助けに来てくれた事が」

「めちゃくちゃ嬉しくて思わず涙が出ちゃっただけなの。」

「ごめんね…急に泣いちゃって。」







「まゆ…。」





まゆ…そんな事言われたら期待するだろ…。






もう、まゆは陸兄と…。
俺はあれから、陸兄が大事な話があると

まゆに言って以来…まゆにその後の事が聞けないでいる。



まゆの口から陸兄と付き合ったなんて

言われるのが怖いからだ。




そんな中、2学期が始まり

まゆはいつの間にか芸能人になってるわ

まゆと陸兄が付き合ってるって噂が耳に入るわ…。





確かにあの、CM見たら…お互い好きどうしにしか見えねぇーよ。


そんな事を頭の中でぐるぐる繰り返し呪文のように駆け巡る中まゆは泣き止んでいた。


「まゆ…少し落ち着いたか…?」







「うん…大分落ち着いたよありがとう。」







「じゃ、教室に行くぞ。」





「うん。」






「ねぇ、斗真…何故私があそこに居るのわかったの?」






「テレパシー。」



「俺はまゆがピンチな時や困ってる時自然にわかってしまう。」



「何で?」






「何でって…だって…それは俺がまゆを…」



「あぁーもう、この話は終わり。」

「早く教室に戻らないと授業間に合わないぞ。」







「わっ!本当!急がなきゃ!」






こうして私と斗真は急いで教室に入って行った。

「まゆちゃん!」






「わっ!ちーちゃん!」





「まゆちゃんに会いたかったんだよ!」







「私もちーちゃんに会いたかった!」







「まゆちゃん~すっかり芸能人になっちゃって★」






「あはは、まだまだだよ。」






「それよりまゆちゃん!耳貸して。」










「耳?なーに?」







私はちーちゃんに言われるがまま耳をちーちゃんのところに傾けた。






「まゆちゃん…陸先輩と付き合ってるって噂になってるよ。」


「まゆちゃん…斗真の事好きじゃなくなったの?」








「陸とは付き合ってないよ。」

「告白はされたけど…」







「陸先輩ついに告白したの!?」






「えっ…ちーちゃん知ってたの?」







「気付くもなにも陸先輩の行動見てたらわかるもーん☆」




「でも私…陸の告白…断った。」


「それに私は、今でも斗真の事が大好き。」









まゆちゃん…。





一つ一つ前へ進んでるだね。



それだったらもう、そろそろ斗真君に
気持ちをぶつけなきゃダメだよ…。

「まゆちゃん…実は私ね…」

「陽太の事が好きなの…。」









ちーちゃんが陽太の事好き?

そっかそっか~好きかぁ☆って!







「ぇえぇえ~!そうなの!?」

「ちーちゃん、陽ちゃんの事好きなんだぁ★」








「うん☆ってかまゆちゃん少し声大きい。」









「あっ!ごめん…びっくりしてつい…。」








ちーちゃんが陽ちゃんの事好きって

初めて知ったよぉ…。







陽ちゃんはどうなのかな…。


ちーちゃんの事好きだったら良いのになぁ。


上手くいって欲しいなぁ…。








「だからね、私ね…文化祭の日」

「陽太に告る…。」





「本当!?」








「うん。」


「文化祭が終わった後ね、毎年3年生が」

「打ち上げ花火をするの」

「その、打ち上げ花火一発目が打ち上げられた時に告ると…」



「その恋が実ってジンクスがあるの。」






そんなジンクスがあったの全然知らなかったよ。


でも、すごく素敵なジンクスだなぁ。








「だからね、まゆちゃんもそろそろ」

「頑張りなよ!」






待って、頑張るって言っても。





でも、それって文化祭が終わっていつ、
一発目の花火が上がるかわかんないよね。


これって、本当に一発目の花火が上がった時に告白出来たらキセキだよね?


いや、キセキじゃなく…運命だよね…。
私…告白しよう…斗真に。



ちゃんと気持ちを伝えなきゃ…。



たとえ文化祭が終わって告白した時に

花火が上がらなくても…。









「ちーちゃん…私、斗真に告白する。」






「おぉー♪そうでなくっちゃ☆」

「お互い頑張ろうね☆」



「うん☆」








「まゆちゃん!千夏ちゃん!」

「早く文化祭の準備するよ!」






「うっ…うわぁ~!」

「陽ちゃん!ビックリしたぁ!」






「いっ…いつから居たの…陽太?」







「いつからって今、来たとこだけど★」

「「ふぅー良かったぁ。」」

陽ちゃん…驚かせないでよ…。



陽太のバカ…驚かせないでよ…。






陽ちゃん…
さっき、ちーちゃんと話してた事聞かれたかと思ったよ…。




あっ!そうだ、ところで文化祭って私のクラス何をするんだろぅ。


「ところで陽ちゃん文化祭って私のクラス何をするの?」





「メイド&執事カフェ☆」






「メイド&執事カフェ!?」



メイドって…。



私…絶対、似合わないよ…。




私…調理担当が良いなぁ。







「まゆちゃんはメイド担当で確定ね!」






「え~ぇ!ヤだよぉ…。」


「ちーちゃん、陽ちゃんが意地悪言うよぉ。」








「私も陽太と同じよ♪」


「まゆちゃんはメイドで決まりよ♪」





ちーちゃんまでー!





私がメイド…。

「そ…そんなぁ~。」









「あっ!そうだ!まゆちゃん!」


「斗真君の服のサイズ計ってきてくれる?」








「えっ!イヤだょぉー」


「ちーちゃん、なんで私なの?」


「それに何で服のサイズ計るの?」








「だって、私と亜美ちゃんでメイドと執事の服を作ってるから★」



「あと、斗真君は執事なんだけど」

「まだ、斗真君のだけ計れてないのよ。」


「まゆちゃんは忙しい担当のところを助っ人で行く役割になってて」

「今、私達のところが忙しくて手が離せないのよ。」








私が居ない間にもう、各自の役割が決まってたんだぁ…。







そりゃー私もみんなの助っ人したいよ?



でも、ちーちゃん…よりによってなぜ

斗真のスリーサイズを私が計らないとダメなの…?





私がドキドキするの知ってるくせに////!



ちーちゃんの意地悪~!