僅かに君が顔を曇らせた気がしたけど、それはきっとシャワーの湯気のせいなんだ。
だってほら、やっぱり君はいつもの可愛い笑顔。
僕が大好きないつもの笑顔。
「これはねえ…」
…これは?
「あたしのブレスレットなの。ホラ、綺麗じゃない?水玉がキラキラ跳ねて、傷の上をなぞるのよ。素敵でしょう?」
僕にはキラキラ跳ねる水玉には見えなかったけれど、君があんまりにも可愛い笑顔でうっとりと自分の腕を眺めているから。
…綺麗だね。素敵だね。
君のブレスレット。
とても良く似合うよ。
聞くのをやめて、淡い筋にたくさんたくさんキスをしたんだ。
君はとても嬉しそうに。
「だいすきよ」
こどもみたいに僕に抱きつく。
僕らはシャワーの雨の中、それからたくさん抱き合った。