例えば大晦日。
新年に向けてのカウントダウンパーティーに僕らも参加したよね。
歌って飲んでさんざん笑って、今年も後○分○秒です。
見知らぬ人達と肩を組んで、大きな声で新年までのカウントダウンをしたっけ。
あの非現実感と期待と興奮ときたら!
ゼロになった瞬間花火が上がり、オメデトウオメデトウと口々に叫びながら肩を抱き合う。
君が周りが、盛り上がるほどに僕はどんどん冷めてゆく。
ゼロの後に残されものは、散らばった空き缶やゴミ、疲れた顔だらけのぎゅうぎゅう詰めの臨時列車。
ゼロが来るまであんなに楽しくてあんなに綺麗だったのに。