君の可愛い笑顔が見たくって、そのまま君の家まで駆けつけたんだ。
ドアを開けた時の君の顔ときたら。
瞬間、驚いて見せた後、ずぶ濡れの僕を見て、声をあげて笑った。
「まるで…」
…まるで?
「お仕事忘れたモップみたいね?」
君がこんなに楽しそうに笑ってくれるから、雨が降って良かったと思う。
僕がずぶ濡れになって良かったな。
だから僕も一緒に笑う。
…仕事を忘れたモップだよ。
「だいすきよ」
笑い疲れた君が、こどものように勢いよく僕に抱きつく。
君のワンピースの可愛い小花模様が、僕のずぶ濡れの服から水気を吸って、鮮やかなグリーンになったんだ。
君にとても良く似合う深いグリーン。
小花模様の色を全部塗り変えてあげよう。
たくさんたくさん抱きしめよう。
君の笑顔に似合う色になるまで。