私はスタッフ室のロッカーをあけて
着替えだす。

「光羽ちゃーん、
やっぱモテモテね!」

マスターはにこにこしている。

「モテませんよ...」
私は苦笑いした。

「だって獅季君、毎日来るじゃない」

マスターは髪の毛を縛り直している。

「なんか、腐れ縁なんです」

私が着替え終わるとマスターが
何やらポケットから紙を取り出した。

「?」

「ふふっ、水族館の割引チケット
獅季君と行ってきなよ」

マスターは私の手にチケットを握らせた。

「お客さんに貰ったから
娘と 行こうと思ったんだけど
日にちが 会わなくてね~」

...と笑っている。