私が言うと、沖田さんはゆっくりと伏せている顔を上げた。
少し目が腫れてる。






「僕はね、昔っから病弱でさ、少しでも強くなりたい一心で此処に入ったんだ。心身共に鍛える事で病弱体質も少しずつ改善して、いつの間にか新撰組の中で若き剣豪とか呼ばれちゃってね。そのおかげで気づいたんだ。  僕には、剣の才能があるって」






「そう言えば斎藤さんとは一、二を争う仲とか…」





「うん。でも、ここ最近また調子が悪くなっちゃってさ。ほら、今日みたいになると役に立たなくなっちゃうでしょ?」





「そんなこと…」





「それが嫌なんだよ。また、こんな事繰り返して新撰組の皆に迷惑かけるわけにはいかない…」