それからというもの。土方さんたちの応援もあり、騒ぎは収まった。
倒幕側の数名は逃したものの新選組は戦果をあげた。






「あんずさん」


声をかけてきたのは斎藤さんだった。


「怪我は?」

「大丈夫です!ほらっこの通りです!」

思ったより、傷も浅く何よりも救護班の処置が迅速だったからこんなに早く回復したんだと思う。
調子に乗って身体を動かしていたら急に痛みが走った。


「痛っ!」

「...貴方という方は。俺がこちらに行っていれば...」

「?」


「いえ。何でもありません、ではまた」


それだけ言うと斉藤さんは行ってしまった。




(あれ?斎藤さんの羽織の袖、糸がもつれていたような....。そういえば藤堂さんと沖田さんは...)


私は少し痛む身体を持ち上げ周りを見て探すことにした。