言いますけど....。




そうだ!土方さんのこと聞かないと。
何を話していたのか。


「何かあったんですか?土方さん」




「ちょっとね、新選組全体が探してる奴が見つかってね。拷問中」


あっさり話してくれた。
でも、拷問?


「具体的にはね、痛め付けるっていったほうがいいかな」



(ちょっと待って!その人が何をしたかは知らないけど痛め付けるだなんて!)

そう思い、沖田さんに意見をぶつける。


「痛め付けるだなんてそんな酷いこと」



私がそう言うと沖田さんは微笑み。

「あんずちゃんは優しいね。でもね、こうもしないとこっちが危ないんだよ」


「...」


当たり前のことだよね。
敵の情報を引き出すにはこの方法しかない。

しょうがないことなんだ。

「拷問は主に土方さんがやってるんだ、それで容赦ないから鬼の副長とか言われてる」



(へぇー。だから鬼の副長なんだ)



妙なところに納得がいく。





しばらく歩いていると新選組の屯所が見えてくるが、沖田さんの言った拷問が行われているんだろうか。かすかだけど男の叫びがきこえてくる。


「あんずちゃんは、怖くない?」


突然沖田さんがそんな事を聞いてくる。


「怖くないです。」


(怖い。)


だって、こんなにも苦しそうな叫び。
土方さんの怒鳴り声。

怖いわけない。




「強いね。それに、優しい。僕そう言う娘。好きだよ?斎藤さんの部屋にいこう?多分、さっきの事で沈んでると思うから」



「そんなに...」




私は頷き、沖田さんと共に斎藤さんの部屋へ行くこととなった。謝らないと!。

というか、す、すき?



聞き逃してはいない。
言葉を思い出し、顔が赤くなっている事だろう。

(ないない。冗談にきまってる)



そうおもっていたんだけど。

あんなことになるなんて思っても見なかった。