「俺が甘味所に居てはダメか?」


よほどの顔をしていたのか、斎藤さんが無愛想な顔をしてこちらに歩いてくる。



(...ぶっ!ダメじゃないけど。何この哀れな犬みたいな顔、斉藤さん可愛い)


「ダメじゃないですよ。ふふ」




「なぜ笑う?」




「斎藤さんって、犬みたいで可愛いですね」




あ!!!思わず本音が。



しばらく沈黙が続いたかと思うと沖田さんが我慢できなくなったのか吹き出した。






「ぶっは!あんずちゃん言い過ぎ、そりゃぁ斉藤さんは犬みたいに忠実だけど」




(どうしよう。。)


「...男が、可愛いと言われて嬉しい訳が無い」



斎藤さんはそれだけ言うと浪士たちを置いて何処かに行ってしまった。



「重症ですね。斉藤さん」



沖田さんは笑い涙を拭きながら
斎藤さんの姿を見送る。



(あーぁ。後で謝んなくちゃ。当然よね男に可愛いだなんて)


「はぁ」

私が後悔のため息を付いている時だった。




「照れているんですよ」


「え?」



と沖田さん。
どういう事なのか、斎藤さんが照れる?




「ふふっ、さてとあんずちゃんは何が良い?みたらし、あんこ、まんじゅう。どれにする?」