「きゃぁぁぁぁっ!!何すんのよっ!!」




生地を確かめたいだけなのに、女は物凄い力で俺の頬に拳をヒットさせた。
当然痛みも、屯所の障子に足の小指をぶつけたときのものとは比べ物にならない。






「いってぇっ!なにすんだよっ」




「何って、あんたがスカートめくるから!」





俺は女の後ろに見覚えのある姿を発見した。
その名も、沖田 総司。そいつもこちらに気付いたらしく、手を振ってこちらへと駆けよってくる。
来なくてもいいんだが。





ーーーードンッ




「あ、あのぶつかってすみません本当にごめんなさい!!」




「いいよいいよ!全然、君こそ怪我はない?」




(ぁあ?総司くん?前見ようか?コイツ居るの分かってただろ!)




「豊玉さん...じゃなかった土方さん、
こんな可愛らしい娘何処で拾って来たんですか?」




(豊...?まさかな...)


いや、聴き違いに決まっている。総司に俳句を見せた覚えはないからな。